金属主義貨幣経済の欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:01 UTC 版)
金属主義である金本位制の場合は、国内の財やサービスの生産量、流通量が増えても、それに応じた貨幣の発行は出来ない。国内での金、銀の採掘量に限界があり、財やサービスの輸出の支払いを金、銀で受けた場合でも入ってくる量には限界があるためである。そのため、財やサービスの生産量、流通量が少ない場合は上がってしまうインフレになり、財やサービスの生産量、流通量が多くなると物価が下がってしまうデフレになるなど、GDPに対応した物価の安定及び成長が出来ない。結果として国民の総所得が減少してしまい、経済停滞を招いてしまう。 また、金や銀の場合、鉱山や鉱山から流れる河川などでの採掘量が限られており、貿易収支の支払いを金で受け付けた場合のみ国内に存在する金の流通量が増えるが、その反対に輸入が多い場合は国内の金の流通量が少なくなるので、貨幣経済の一手段としては不安定であり、現在の世界では金本位制を採用している国家は存在しない。
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