金利との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 09:29 UTC 版)
為替相場が円高になると、日本国外からの原材料や食料品、石油などの輸入品が値下がりするので、物価が下がる。物価の下落は金利の低下に繋がるので、為替相場の円高は金利の低下に繋がる。 為替相場が円安になると、日本国外からの原材料や食料品、石油などの輸入品が値上がりし、物価が上昇する。物価の上昇は金利の上昇に繋がるので、為替相場の円安は金利の上昇を引き起こす。 米国の金利が上昇したり日本の金利が下降したりして日米金利差が拡大すると、日本の金融商品に投資するよりも米国の金融商品に投資をする方が有利になるので、円をドルに換えて米国の金融商品を購入しようと円売り・ドル買いが進む。この結果、日本から米国にお金が流出し、ドル高円安になっていく。 日本の金利が上昇したり米国の金利が下降したりして日米金利差が拡大すると、米国の金融商品に投資するよりも日本の金融商品に投資をする方が有利になるので、ドルを円に換えて日本の金融商品を購入しようとする円買い・ドル売りが進む。この結果、米国から日本にお金が流入し、円高ドル安になっていく。 短期的には金利の高い国の通貨が上昇しがちである。しかし、金利の高い国はインフレレートが高い国、通貨価値の下落が大きい国であるので、長期的には通貨安となる場合が多い。 経済学者の野口悠紀雄は金利の引き上げによって円高を実現することができるとしている。エコノミストの片岡剛士は「マンデルフレミングモデルの知見からも明らかなように、(財政政策のみによる)財政支出の拡大は金利の上昇を招き、ひいては円高につながる」と指摘している。 このように、金利差が為替レートにおよぼす関係は、短期と長期で逆である。
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