金の卵 (イソップ寓話)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 金の卵 (イソップ寓話)の意味・解説 

ガチョウと黄金の卵

(金の卵 (イソップ寓話) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/22 04:45 UTC 版)

Milo Winterの挿絵(1919年)
ラ・フォンテーヌ寓話と挿絵(1909年)

ガチョウと黄金の卵」(ガチョウとおうごんのたまご、: The goose and the golden egg)は、イソップ寓話のひとつ。ペリー・インデックス87番。

あらすじ

ある日農夫は飼っているガチョウ黄金を産んでいるのを見つけて驚く。それからもガチョウは1日に1個ずつ黄金の卵を産み、卵を売った農夫は金持ちになった。しかし農夫は1日1個しか卵を産まないガチョウに物足りなさを感じ、きっとガチョウの腹の中には金塊が詰まっているに違いないと考えるようになる。そして欲を出した農夫はガチョウの腹を切り裂いた。ところが腹の中に金塊などなく、その上ガチョウまで死なせてしまった。

教訓

欲張り過ぎて一度に大きな利益を得ようとすると、その利益を生み出す資源まで失ってしまうことがある。利益を生み出す資源をも考慮に入れる事により、長期的に大きな利益を得ることができる。

備考

この話には様々な異本がある。同じギリシア語散文からの翻訳でも山本光雄訳の題は「金の卵を産む鶏」だが[1]中務哲郎訳では「金の卵を生む鵞鳥」であり、内容もヘルメス神への信仰のご利益として金の卵を生むガチョウを授かることになっている[2]バブリオスによる韻文寓話集の123話[3]でも卵を生むのが鶏になっている。日本の『伊曽保物語』でも「庭鳥金の卵を産む事」になっている(ただしシュタインヘーヴェル版ではガチョウ)。英語訳ではトマス・ジェームズ訳(1848)・ジョーゼフ・ジェイコブズ訳(1894)・ヴァーノン・ジョーンズ訳(1912)でガチョウであるのに対して、ファイラー・タウンゼンド訳(1867)では雌鶏とする。

17世紀のラ・フォンテーヌの寓話詩では第5巻の第13話「金の卵を産む雌鶏」 (fr:La Poule aux œufs d'or (La Fontaine)として収録しているが、「poule」に雌鶏の意味と賭博の賭け金の意味を掛けている。

脚注

  1. ^ 山本光雄 訳「287 金の卵を産む鶏」『イソップ寓話集』岩波文庫、1995年(原著1974年)。ISBN 400321031X 
  2. ^ 中務哲郎 訳「87 金の卵を生む鵞鳥」『イソップ寓話集』岩波文庫、1999年、83-84頁。 ISBN 400321031X 
  3. ^ パエドルス、バブリオス 著、岩谷智・西村賀子 訳「金の卵を産むニワトリ」『イソップ風寓話集』国文社〈叢書アレクサンドリア図書館〉、1998年、279-280頁。 ISBN 4772004041 

関連作品

関連項目


「金の卵 (イソップ寓話)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「金の卵 (イソップ寓話)」の関連用語

金の卵 (イソップ寓話)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



金の卵 (イソップ寓話)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのガチョウと黄金の卵 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS