野坂昭如による批判
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1987年2月26日、東京のホテルニューオータニ「鶴の間」で上杉の対談集『連帯を求めて』の出版記念パーティが開かれた。会費は2万円、出席者は1000人とも3000人ともいわれた。 この席で壇上に招かれた野坂昭如は、次のようにこのパーティを批判し、問題提起した。 「解放同盟というのは、もっと地道な活動をするところだと思っていた。めでたい席でやぼは承知でいうのだが、こんな一流ホテルで2万円の会費を払って盛大なパーティをやることと、部落解放とはどこで結びつくのか。今、解同が抱えている問題はこんな所で酒を飲んで解決できるものではないはずだ。ちょうどいい機会だからこれから討論会をやりましょう。ぼくの言っていることに文句のある人は上がってきて、対決しましょう」 しかし壇上に上がる人はなく、野坂は「終始ぶぜんとした表情」だった。 また、野坂はこのとき壇上近くの一人に討論を勧めたが、相手は権柄ずくな物言いで「タレントはタレントらしくやってりゃいい。タレント風情が何を差し出がましい」と吐き捨てるようにつぶやいた。これに対して野坂は 「タレントといわれるほどの芸も才もないが、もし、この言葉をTV芸人の意味で用いたものだとすると、何をかいわん。TVだろうが大道においてであろうが、芸人こそは、差別の歴史を背負っている。あっけにとられるとはこのことで、ぼくはそのまま会場をでた」 と批判している。
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