酸素バランスと汚染の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 14:13 UTC 版)
「酸素バランス」の記事における「酸素バランスと汚染の関係」の解説
爆薬が爆発した後に残るガスは二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水(H2O)になっていることが安全の上では理想である。しかし、例えばトリニトロトルエンなどは炭素に対して酸素が足りないため、爆発すると人体に有害な一酸化炭素や遊離炭素が発生する。 このような有害なガスの発生は発破作業を行う作業者や周囲の人間が危険であるため、発破を行う場合には酸素が余るように、トリニトロトルエンに硝酸アンモニウムなどの酸化剤を混ぜるなどしてトリニトロトルエンの酸素の不足分を補い、一酸化炭素が発生しないように酸素バランスの適正化をはかる。 火薬学では酸素が余るように配合するように指導している。 酸素が余る状態を「酸素バランスがプラスになっている」と表現する。逆に一酸化炭素などが発生する状態を「後ガス(あとガス)が悪い」と言う。 発破作業などでは作業者の安全を重視するため酸素バランスの適正化を行うが、軍隊などでは逆に爆薬の威力が低下する混ぜ物を嫌うため後ガスの悪い爆薬を使用する。このため、大量の爆薬が消費される演習地などでは環境汚染が発生している。
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