都市部の温暖化・乾燥化説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:40 UTC 版)
「アブラゼミ」の記事における「都市部の温暖化・乾燥化説」の解説
アブラゼミは幼虫・成虫とも、クマゼミやミンミンゼミと比べると湿度のやや高い環境を好むという仮説がある。実際、都市化の進んだ地域ではヒートアイランド現象による乾燥化によってアブラゼミにとっては非常に生息しにくい環境となっており、乾燥に強い種類のセミが優勢となっている。つまり、東京都心部ではミンミンゼミに、大阪市など西日本太平洋側の大都市中心部ではクマゼミに置き換わっているという説もある。また、セミは地温のみならず地中の湿度からも多大な影響を受ける。たとえば、年間にわたって湿度が比較的高い九州南部よりも、瀬戸内地方の都市部や静岡県の市街地のほうがアブラゼミの減少ペースが早い。特に静岡県では、冬の乾燥が大きな原因となっているとみられる。この現状を考慮した場合、上述の仮説は正しいということになるが、それを明確に立証する研究結果はまだ出ていない。 なお、これらは一部の地域の話であり、都内23区や都市部の市街地でもアブラゼミが最も多く生息している場所が現在でも多く、夏場の高温で知られる埼玉県内は全く減少しておらず、アブラゼミを見る機会が最も多い。
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