部分意匠
部分意匠(ぶぶんいしょう)
”部分意匠”とは、物品の部分についての意匠をいう。
たとえば、コップの取っ手部分に特徴がある場合には、取っ手部分について部分意匠の登録を受けることができる。部分意匠の登録を受けることにより、同一または類似する取っ手部分を持ったコップについて意匠権の効力が及ぶ。
部分意匠の出願を行う場合には、特徴部分(上記の場合であれば取っ手部分)を実線にて表示し、その他の部分を破線にて表示した図面を提出する。
なお、物品全体の意匠が出願されており、後願としてその部分の意匠を出願した場合には、当該部分意匠の出願は後願であるとして拒絶されるケースがある(同一人であっても適用される)。先に部分意匠が出願され、後願として全体の意匠が出願された場合には、このような先後願によって拒絶されることはない。この点、意匠の出願戦略上、十分な注意を払うべきである。
また、アイコンを部分意匠として登録することはできない。アイコンがディスプレイという物品の部分に関する意匠であるとは認められないからである。また、ディスプレイ全体としてみても、アイコンはディスプレイの模様とは認められないので、ディスプレイの意匠としても登録されない。ただし、液晶表示のデジタル時計のように、当該表示がその物品の機能として必要不可欠な場合には、当該表示は、意匠を構成するものと認められている。
米国においては、アイコンを部分意匠として登録している。
(執筆:弁理士 古谷栄男)
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