郡保安官・郡警察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 20:43 UTC 版)
郡保安官又は郡警察(以下、郡機関)の任務は、郡内において州が定めた法執行権を行使し郡内の治安を守ること、郡下自治体の捜査活動を支援することなどである。そのために郡機関は警察、矯正、廷吏などの権限を持つことがあるが、ここでは警察部門に限って記述する。 郡機関の管轄は、郡下の市町村及び企業・団体が独自の警察を有しているかどうかで変わる。市町村や企業団体が独自の警察を有し、また所定の管轄となる地区を持っている場合、そこは少なくとも平時においては郡機関の活動範囲からは外れる。合同捜査や大事件発生時に共同で任務に当たることはある。 例えばロサンゼルス郡保安局の管轄はロサンゼルス郡全域だが、通常の警察活動を行う範囲は、独自の警察を持つロサンゼルス市、ビバリーヒルズ市、ロングビーチ市などを除いた範囲である。またロサンゼルス国際空港などロサンゼルス市空港公団の管理物件においては同公団のロサンゼルス空港警察が所管しており、こういった場所もまた通常は保安官の活動範囲ではない。一方でロサンゼルス郡都市圏交通局が運営する鉄道は保安官の管轄であるため、先述の市内であっても鉄道敷地内における警察権を第一義に有しているのは保安官である。郡機関はこういった各郡における事情や管轄を踏まえ、必要であれば郡内に本部(保安官事務所)以外の警察署を配置する。 全米全体で見ると、郡機関の組織は規模の大小の差が大きい。先述のロサンゼルス郡保安局の地域警察部門は4方面・21署が設置されており、これは保安官の組織としては全米最大で、全ての警察機関でも3位または4位の規模を誇る。ロサンゼルス郡が含まれるロサンゼルス大都市圏は全米2位、世界でも有数の大都市圏であり、人員も保安官代理(警察官・刑務官などに相当)がおよそ1万人と大規模であるため。一方で保安官が2〜3人程度の保安官代理を雇用し運営している場合も多い。こういった小規模の郡機関が複数の警察署を持つことはなく、本部である保安官事務所で全ての機能を賄っている。
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