遺体からわかること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 06:59 UTC 版)
「ジョージ・マロリー」の記事における「遺体からわかること」の解説
マロリーの遺体には腰の周りにザイルが巻かれており、擦過傷ができていた。これはマロリーが滑落したときアーヴィンとザイルで結ばれていたことを示す。1933年にアーヴィンのものとされるアイス・アックスが発見された地点はその上方だが、そこから滑落したとは限らない。マロリーの遺体が大きく損傷していないことから、それほど長い距離を滑落したとは思えない。 マロリーの遺体から「もしや登頂していたのでは」と思わせることが2点ある。 マロリーの娘クレア・ミリカンによれば、彼は頂上に記念として置いてくるため妻の写真を持って行ったというが、遺体からはメモだけで写真が発見されなかった。遺体が寒冷な気候下で驚くほど良く保存されていたことを考えれば、写真がポケットの中で風化・消滅したとは考えにくいので、この事実はマロリー登頂の積極的な証左とはいえないだろうか(だが、同時に山頂でマロリーの所持品などを発見したという報告もなされていない)。 マロリーのサングラスがポケットにしまわれた状態で発見された。このことは2人が日没後に山を降りていたということを意味する。マロリーの最後のアタックに先立って隊員のノートンが雪に目をやられて苦しんでいたのを見て、マロリーは日中常にサングラスをかけるようにしていた。マロリーたちの出発時刻および移動速度を考えると、彼らが登頂を終えて下山中に日が沈み、滑落したとも考えられる。(着けていたサングラスは滑落中に取れ、マロリーのポケットに入っていたのは予備のサングラスであったとも考えられる。)
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