通貨価値の漸減をめぐる議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 13:42 UTC 版)
「欧州中央銀行」の記事における「通貨価値の漸減をめぐる議論」の解説
欧州中央銀行はイングランド銀行のように対称性をもつインフレターゲットを採用するべきだとする経済学者が多くいる。イングランド銀行はインフレターゲットを2%±1%としているのに対して、欧州中央銀行は「2%以下であり2%近くにする」と、曖昧なものとしている。欧州中央銀行に課せられた目標が低いという批判は存在する。しかし欧州中央銀行はインフレ率を抑制する立場にある。そういうこだわりが、欧州経済情勢のより広いニーズに応えない金利決定がなされていると考える者もいる。 このようなインフレターゲットに関する批判は欧州中央銀行に限らず、多くの中央銀行でも言われるものである。イングランド銀行が採用していることも考えると、この論点が連合軍軍政期に英米が対立した延長にあると評価できる。 欧州中央銀行による低金利設定は地価バブルが起っているヨーロッパの地域では適当なものではないという批判があり、この低金利はアイルランドの地価バブルの要因となった。低金利はユーロ圏全体としてデフレーション回避のために設定されている。 欧州中央銀行の低金利政策(実際マイナス金利が主流)にせよ、インフレターゲットにせよ、通貨の実質的価値を漸減させて交換手段としての活用を促し投資・消費へ使わせようとする目的で共通している。 インフレしない経済成長に直接効果のある自由通貨は学界で議論されるにとどまっている。
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