逆さ田植
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 20:50 UTC 版)
9月9日に神社の境内で、種まきから鎌納めまでの一連の農作業を模擬的に行う「逆さ田植」という儀礼を執行する。収穫祭の日に模擬的な田植えを行うため、「逆さ」と称している。(異説では、祭事中に藁人形を背中合わせに〔=逆さに〕背負うため、逆さ田植と称する。)収穫祭で逆さ田植を行う意味は解明されていない。 逆さ田植は正式には「御田植神事」といい、まず大祷(おおとう)と小祷(ことう)がお白(しら)と白酒、さや豆と白酒、生柿と白酒を一献、二献、三献と順に神前へ供え、荒莚(むしろ)を社殿前に敷く。これを田に見立て、莚の両端に木の葉十数枚を持った宮人衆が立ち、「ベロベロ」と3回唱えながら、葉をまき散らす。ちらし終えると「よう芽立ちました」と唱える。これは「種蒔式」(たねまきしき)と呼ばれる。続いて、鳥追いを模して宮人衆が「ホウホウ」と三唱する。 その後、宮人衆と村役人衆が手に持った常盤木の枝から葉をむしりながら神楽歌を歌い東進する「苗取式」、先の人々が一旦西へ戻り、再び東進しながらむしった葉をまき散らす「田植式」を行う。ここで昼休みに入り、頬に墨を塗り髢(かもじ)を垂らした小祷が、ソウナイ(飯櫃)を捧げ持ち、藁人形を背中合わせに背負い、牛(莚と棒で作り、2人でかついだもの)を追いながら神前へ向かい、社殿前にソウナイを供える。ソウナイには赤飯が入っており、オモノ衆が赤飯を握り、膳に載せ、各座へ配る。
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