軍忠状とは? わかりやすく解説

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ぐんちゅう‐じょう〔‐ジヤウ〕【軍忠状】

読み方:ぐんちゅうじょう

中世自分軍功大将や軍(いくさ)奉行提出して後日論功行賞証拠家門の名誉とした文書。奥や袖(そで)に「一見了」「承了」などの証判受けたので一見状ともいう。証判状


軍忠状

読み方:グンチュウジョウ(gunchuujou)

中世古文書の一形式


軍忠状

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/09 08:07 UTC 版)

軍忠状(ぐんちゅうじょう)とは、中世日本において、参陣や軍功などを証する書類。

概要

中世日本において武士同士の主従関係は、御恩と奉公により成り立っており、主人の軍事行動に当たり家来が手勢を引き連れ参陣し、または戦場において軍功を挙げた場合(奉公)、主人はこれに対し、その「参陣」「軍功」が単なる私闘・私戦ではなく正当性のある「公戦」におけるものだと認定し、本領を安堵したり、新領地を恩賞として与えたり(新恩給与)すべきものとされていた。そのため、後日の恩賞のため、参陣や軍功の事実を証する必要が生じ、かかる文書が主人名にて発給されることになった。

こうした多くの軍忠状が作成されたのは、戦いが武士の自主性に任せられていたことを物語っているが(後述書)、その内容から戦闘の規模が小さく、死傷者が少ないことが判明している[1]。(ただし、軍忠状の内容は基本的には戦勝側の内訳であり、記入対象は士分以上の者のみである[2]。) 14世紀後半となると、各地の武士の手元に残る軍忠状が著しく少なくなり、守護を中心とした新たな秩序が形成される方向が見えてくる[3]

文書の様式は、まず文書先頭に自分の名前を書き、以下に軍忠の具体的事実を書くことを宣言する(「誰々申軍忠事」という文言になることが多い)。次に軍忠の具体的事実、例えば合戦への従軍・敵に与えた損害・自軍の損害といったことを書く。さらに同所で戦った武将の名前を挙げて、自身の軍忠の証明とする(具体的に名前を出さない場合もあり)。そして最後に「軍忠認定の証判を賜り、後日(の恩賞の)証拠としたい」といった旨の文言(文言は各文書で微妙に異なる)を記し、「以此旨可有御披露候」と文章を結ぶ。宛所は「進上 御奉行所」と書かれることが殆どである。 こうして軍勢の統括者に提出された軍忠状は、内容に問題が無ければ、文書末尾(先頭の場合もあり)にその統括者の証判(花押)と文書を一読し承諾した旨(「一見了」「承了」「無相違」などの文言)が書かれて効力が発生する。

これとは異なり、主人側にて書類を起案・交付するケースもある。

脚注

  1. ^ 五味文彦『武士の時代』〈岩波ジュニア新書〉2003年、139頁。 
  2. ^ 笹間良彦 『図説 日本戦陣作法辞典』柏木書房、280頁。 
  3. ^ 五味文彦『武士の時代』、140頁。 

参考文献

関連項目

  • 着到状
  • 手負実検状
  • 注文 - 戦場での負傷率や首級数を記した

軍忠状(ぐんちゅうじょう)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 22:51 UTC 版)

古文書」の記事における「軍忠状(ぐんちゅうじょう)」の解説

合戦での戦功列記し指揮者提出する書類受け手指揮者署名して内容確かなことを証明する

※この「軍忠状(ぐんちゅうじょう)」の解説は、「古文書」の解説の一部です。
「軍忠状(ぐんちゅうじょう)」を含む「古文書」の記事については、「古文書」の概要を参照ください。

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