貴腐果のでき方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/24 01:52 UTC 版)
ボトリティス・シネレアは世界中に分布し、果樹、野菜類、豆類、花卉など様々な植物の重要な病原菌である。この菌による病気は灰色かび病と名づけられているものが多い。ブドウでも、生食用、醸造用ともに重要な病原菌であり、被害も大きい。 ところが、セミヨン、リースリングなど白ワイン用品種の成熟した果粒にこの菌が単独感染した場合には好影響をもたらすことがある。感染した菌が果皮のクチクラ層のワックスを溶かすことで果汁中の水分が蒸発し、その結果、外観はカビに包まれている上に干しブドウの様なしなびた状態であるが、内部の果汁は飴色で粘度が高く、糖度もBrix30~60ほどになる。さらに、菌の代謝により、果実は貴腐香と呼ばれる独特の香りを持つようになる。これを「貴腐果」「貴腐ブドウ」と呼ぶ。
※この「貴腐果のでき方」の解説は、「貴腐」の解説の一部です。
「貴腐果のでき方」を含む「貴腐」の記事については、「貴腐」の概要を参照ください。
- 貴腐果のでき方のページへのリンク