諾成契約・要物契約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 13:52 UTC 版)
諾成契約 当事者の合意だけで、契約目的物の交付を必要とせず成立する契約。日本民法では、契約自由の原則の方式の自由から、契約は原則として当事者の合意のみで成立する諾成契約が原則とされる。また、ヨーロッパ契約法原則第2-101には、「契約は、書面によって締結され又は証明されることを要さず、形式に関するその他のいかなる条件に従うことも要さない」として、諾成主義の原則が規定されている。 要物契約 当事者の合意だけでなく目的物の交付とによって成立する契約。践成契約あるいは実践契約ともいう。要物契約の存在は歴史的経緯による。 日本の民法では587条による消費貸借が要物契約である(ただし2017年の改正民法(2020年4月1日施行予定)で587条の2が新設され、書面による消費貸借の場合は物の交付は不要とされた)。フランス民法やオランダ民法でも、消費貸借契約が要物契約として規定されている(フランス民法1892条、オランダ民法7A編1791条)。ドイツ民法では、かつては消費貸借契約が要物契約として規定されていたが、2001年の改正により諾成契約とされた。日本では2017年の改正民法で典型契約の使用貸借や寄託が諾成契約となり、代物弁済契約も諾成契約となった(2020年4月1日施行予定)。
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