語り継がれる戦争の記憶とは? わかりやすく解説

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語り継がれる戦争の記憶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/10 23:45 UTC 版)

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語り継がれる戦争の記憶
ジャンル 戦争漫画
漫画
原作・原案など 横山秀夫(脚本)
作画 三枝義浩
出版社 講談社
掲載誌 週刊少年マガジン
レーベル KCデラックス
発表期間 1995年24号 - 1997年7号
巻数 全3巻
話数 全6話(各話は前編・後編の2編構成)
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ポータル 漫画

語り継がれる戦争の記憶』(かたりつがれるせんそうのきおく)は、横山秀夫脚本、三枝義浩作画による日本漫画連作シリーズ。『週刊少年マガジン』(講談社)において、1995年24号(4月26日)から1997年7号(1月28日)にかけて掲載された。全6話(各話は前編・後編の2編構成)から成り、それぞれ、戦中(主に太平洋戦争末期)から戦後にかけてを生き抜いた実在の日本人が主人公として描かれている。

三枝は1990年代から、チェルノブイリ原子力発電所事故AIDSなど、実在の出来事をもとにした漫画で評判を得ており、その流れを汲んで編集部によってシリーズ企画として描かれたものとも見られている[1]。中でも、原子爆弾の悲惨さを伝えて生きた沼田鈴子を描いた『ヒロシマの証言者』、シベリア抑留に遭いながらも希望を捨てずに生き続けた山本幡男を描いた『収容所から来た遺書』は、ともに戦後の悲劇を語った作品だが、悲劇自体よりもむしろ、主人公によって人々の心が動かされ、気持ちが通い合い、主人公の個人の悲劇が多くの人々へと共有されるといった感動が評価されている[1]。しかし中高生の読者には恵まれず、長期シリーズとはならずに終わった[2]

脚本担当の横山は本作の制作にあたって日本各地を取材するうちに、組織の中で個人が生きることについて熟考しており、後に警察など組織対個人をテーマとした作品群を描くための原典となったと語っている[3]

作品一覧

# タイトル 掲載号 主人公
1 ヒロシマの証言者 被爆青桐の下で 1995年24号、26号 沼田鈴子
2 出口のない海 回天特別攻撃隊の悲劇 1995年39号、40号 横田寛
3 白旗の誓い 血戦ルソン島・不戦を決意した兵士 1996年10号、11号 小島清文
4 祖国への進軍 ある日系米兵の沖縄戦 1997年5・6合併号、7号 比嘉武二郎
5 戦火の約束 戦争記録画に秘められた絵描き兵の執念 1997年28号、29号 滝口岩夫
6 収容所(ラーゲリ)から来た遺書 1997年50号、51号 山本幡男

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 米沢嘉博『マンガで読む「涙」の構造』NHK出版生活人新書〉、2004年、86-87頁。ISBN 978-4-14-088097-5
  2. ^ 坂本哲史 (2004年6月5日). “面白さ求め妥協なし 作家・横山秀夫”. 朝日新聞 東京朝刊 be週末b4 (朝日新聞社): p. 54 
  3. ^ 竹中はる美「横山秀夫 原点は、もがき苦しんだあの七年間」『潮』第545号、潮出版社、2004年7月、 210頁、 NCID AN00337329



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