詠隊の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/25 20:02 UTC 版)
現代では祈祷書中で担当者が「詠隊」と指定されている部分を、会衆全員で歌唱することも少なく無い。比較的歌う事が容易な旋律が用意されていることの多い連祷部分や、信経、天主経などがその対象となることは多い。 日本でもニコライ堂にみられるように、大規模な聖歌隊を用意し、殆どの祈祷文を訓練された聖歌隊が詠隊として歌う事が多い大教会に於いても、信経、天主経は会衆全員で歌唱される習慣が広く行われている(ただし、ギリシャ系正教会では歌唱ではなくこの部分は朗読調となる)。 また、小規模な教会では会衆のうちほぼ全員が詠隊となって奉神礼に参加し、多くの場合で会衆と詠隊の区別が相対的なものになっている。 ただし、かつては教衆(きょうしゅう)の一員としての役割が強調されたこともあり、詠隊の役割を選ばれた信徒に限定する伝統的傾向は残存している。詠隊の役割を特に祝福された正教信徒に限定し、基本的には洗礼を希望する者にも、詠隊への参加は洗礼以後に求める神品も存在する。上述した通り誦経奉仕者と詠隊の役割は極めて大きなものである上に、祭服まで着用して行われる誦経と詠隊の役割の区別は相対的なものである以上、詠隊もまた奉神礼(リトルギア:「神の民の仕事」の訳語)において重要な役割を担う「神の民」と位置付けられるのであり、信徒以外のものに広く開放されるべき職分であるとはあまり看做されないからである。 最近では宣教への配慮から、司祭の祝福(許可)により、正教会に来た非信徒も詠隊に一時的に参加することが個別に許されるケースも少なく無い。但し、大教会の大規模な専任の聖歌隊においては、そうした事例は無くはないものの稀である。
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