計算例と性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 09:59 UTC 版)
a, b, c の3つの要素を各要素の順番を問わずグループ化する方法は {a}, {b}, {c} {a}, {b, c} {b}, {a, c} {c}, {a, b} {a ,b, c} の5通りである。よって B3 = 5 となる。a, b の2つの要素なら {a}, {b} {a, b} の2通りであり、B2 = 2。同様に B1 = 1 であり、B0 は空集合(0個の要素)をグループ化すると考えて B0 = 1 とする。 要素の分割の方法とベル数の関係を考える。例えば3個のボール a, b, c を箱に入れる方法は次の通りである。 a, b, c の3つとも別々の箱に入れる。 a を一つの箱に、b と c を別の一つの箱に入れる。 b を一つの箱に、a と c を別の一つの箱に入れる。 c を一つの箱に、a と b を別の一つの箱に入れる。 a, b, c の3つとも一つの箱に入れる。 要素が3つのときは5通りの分割の方法があり、これは B3 = 5 に対応している。 n 番目のベル数 Bn は以下の漸化式で与えられる。 B n + 1 = ∑ k = 0 n ( n k ) B k {\displaystyle B_{n+1}=\sum _{k=0}^{n}{{n \choose k}B_{k}}} ( n k ) {\displaystyle {n \choose k}} は二項係数で、組み合わせの記号を使えば n C k {\displaystyle {}_{n}C_{k}} に等しい。ここから以下の式が導かれる。 B n = 1 e ∑ k = 0 ∞ k n k ! {\displaystyle B_{n}={\frac {1}{e}}\sum _{k=0}^{\infty }{\frac {k^{n}}{k!}}} また素数を p とおくと次式が成り立つ。 B p + n ≡ B n + B n + 1 ( mod p ) {\displaystyle B_{p+n}\equiv B_{n}+B_{n+1}\ {\pmod {p}}} 上の漸化式より、ベル数の指数型母関数 B(x) > 0 は微分方程式 B ′(x) = exB(x), B(0) = 1 を満たすので、変数分離法より B ( x ) = ∑ n = 0 ∞ B n x n n ! = e e x − 1 {\displaystyle B(x)=\sum _{n=0}^{\infty }B_{n}{\frac {x^{n}}{n!}}=e^{e^{x}-1}} となることも導ける。
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