解集合から導かれるドラゴン曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/20 07:13 UTC 版)
「ドラゴン曲線」の記事における「解集合から導かれるドラゴン曲線」の解説
ある微分方程式の解集合が得られたとき、それらの解の線形結合は、重ね合わせの原理により再び元の微分方程式を満たすものとなる。これはすなわち、すでに存在している解の集合に対してある関数を適用することによって、新たな解を導くことが出来るという意味でもある。これは反復関数系を用いてある集合内に新たな点を導出する方法と同様である(ただし、そのような反復関数は線形関数であるとは限らない)。同様な概念により、関数の集合へとそのような反復的な手法を用いることによって、リトルウッド多項式(英語版)の集合を導くことが出来る。 リトルウッド多項式とは、多項式 p ( x ) = ∑ i = 0 n a i x i {\displaystyle p(x)=\sum _{i=0}^{n}a_{i}x^{i}\,} のことである(ここで a i {\displaystyle a_{i}} は 1 か -1 のいずれか)。 |w| < 1 を満たすようなある w に対して、関数系 f + ( z ) = 1 + w z {\displaystyle f_{+}(z)=1+wz} f − ( z ) = 1 − w z {\displaystyle f_{-}(z)=1-wz} を定義する。どのような次数 d のリトルウッド多項式であっても、この関数系の z=0 から始めた d+1 回の反復操作によって導出することが出来る。例えば、 f + ( f − ( f − ( 0 ) ) ) = 1 + ( 1 − w ) w = 1 + 1 w − 1 w 2 {\displaystyle f_{+}(f_{-}(f_{-}(0)))=1+(1-w)w=1+1w-1w^{2}} など。 w = (1+i)/2 である場合、上の関数系はヘイウェイ・ドラゴンの反復関数系と等しいことが分かる。すなわち、ヘイウェイ・ドラゴンは、ある反復操作によって、点 w = (1+i)/2 において評価されるある次数までのすべてのリトルウッド多項式からなる集合を表すものである。実際、リトルウッド多項式の根を十分多くの数プロットしたとき、それらの座標の近くにドラゴン曲線と似た構造が現れることとなる。
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