補助金の交付規則・要綱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 23:18 UTC 版)
民間事業者に補助金を交付する基準を定めた交付要綱については、基本的に行政機関の内規として定められる。しかし、日本の補助金には補助金適正化法第2条第4項にも規定する「間接補助」(「トンネル補助」とも俗称される。)と呼ばれる珍奇な制度があり、本来上級官庁の財源で民間事業者に交付する補助金をいったん下級官庁に交付し、下級官庁から民間事業者に交付する迂遠な形式により補助を行う。この場合、実務執行者である下級官庁の事務に遺漏がないよう、上級官庁の補助要綱を通達の形で下級官庁に向けて示達する。行政が公費により民間団体に行わせる公益事業は、しばしば法令で運営基準を定めず補助基準の形で事業者を統制するため、補助金通達は実質的に行政立法となる。 例えば、障害福祉サービスを行う事業所は法令に定められた運営基準を遵守しなければならないが、障害者の外出支援(移動支援事業)を行う場合の基準は、法令ではなく国の補助金通達のみに定められている。しかし、これらを一体的に行う事業所にとっても、指導を行う行政部局にとっても、どちらが法令でありどちらが通達に基づく基準かが意識されることはなく、法的拘束力に差異も生じない。
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