蛍光観察における染色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/07 09:22 UTC 版)
蛍光観察のための特殊な染色法として、蛍光染色・化学的蛍光染色・抗体蛍光染色などが行われる。 蛍光染色では各細胞内小器官やpH・イオンなどに対して染色性の特異性が高い蛍光色素を用い、蛍光染色が行われる。場合によっては複数の蛍光色素を用い、器官ごとに染め分けること(多重染色)も行われる。蛍光色素にはDAPI・ローダミン・フルオレセインやその類縁化合物などが用いられる。化学物質の他に、粒径に応じて様々な蛍光特性を持つ量子ドットも染色に用いられる。 抗体蛍光染色では抗原抗体反応を利用し、蛍光色素で標識(蛍光ラベル)した抗体を試料に取り込ませて染色を行う。抗原となる物質に対して高い特異性で染色が行えるため、臨床検査などに用いられる。 これらの蛍光色素は、照射する励起光の強度が高すぎると褪色してしまうことがある。そのため励起光の強さを絞ったり、褪色防止剤を加えるなどの対策が行われる。 化学的蛍光染色では、試料を試薬で処理して蛍光性の物質に転換させ、蛍光性となった部位を観察する手法である。 他に、緑色蛍光タンパク質 (GFP) などの蛍光タンパク質を誘導する遺伝子を遺伝子組み替えによって導入し、観察する手法もある。(これについてはレポーター遺伝子で詳述されている)
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