藤川晋之助とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 藤川晋之助の意味・解説 

藤川晋之助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 13:25 UTC 版)

藤川 晋之助(ふじかわ しんのすけ、1953年〈昭和28年〉10月31日 - 2025年〈令和7年〉3月11日)は、日本選挙プランナー政治家大阪市会議員(2期)、減税日本選挙対策事務局長・東京本部事務局長・政策顧問、東京維新の会事務局長などを歴任。本名は、藤川 基之(ふじかわ もとゆき)[1]

来歴

大阪府大阪市出身。中学生の頃、1969年に発生した東大安田講堂事件をきっかけに政治に目覚める[2]。当初は反米思想の持主であったが、徐々に共産主義の拡大を止めなければならないと思うようになったという[1]。高校生の時に日本学生同盟に入り、国士舘大学入学後も活動した[1]。大学卒業後、23歳で自民党田中派山本幸雄衆議院議員(後の自治大臣)秘書となる[2][1]

1991年、37歳で自民党から大阪市会議員に初当選する(当時は本名の藤川基之名義)。その後、自民党を離党し、小沢一郎率いる新生党に参加[2]。2期目途中の1996年の第41回衆議院議員総選挙では、大阪6区から旧民主党公認で立候補するが、落選。1998年4月には三重県名張市の市長選挙に立候補したが、現職の富永英輔に敗れ落選[3]し、政治家の道を断念する[2]

その後、インドネシアで事業を手掛けたが、アチェ紛争で帰国。民主党に合流していた小沢に選挙の手伝いを要請され、永田町に戻る[2]。2009年の第45回衆議院議員総選挙では、群馬4区三宅雪子陣営に入り、盤石の地盤を持つ福田康夫元首相を相手に接戦に持ち込んだ[2]。要請に応じて、民主党のほかみんなの党の選挙参謀も務め[2]、2012年には減税日本の選挙対策事務局長・東京本部事務局長・政策顧問を務めた[4]

2017年からは東京維新の会(日本維新の会東京都総支部)の事務局長を務め、2022年の第26回参議院議員通常選挙後に退職。この間、当初0人だった東京での維新の国会議員を比例代表を含め5人へと躍進させた[2]

2019年8月の埼玉県知事選挙では、野党候補の一本化に尽力した[2]

2022年11月、「藤川選挙戦略研究所」を設立[2]

2024年7月の東京都知事選挙では、ドトールコーヒー創業者の鳥羽博道からの要請もあり[5]石丸伸二安芸高田市長陣営の選対事務局長を務めた。石丸は前参院議員の蓮舫を押さえて、2位となった[6]

同年9月の自由民主党総裁選挙では、高市早苗陣営の支援に入った。都知事選同様、鳥羽からの支援要請があったほか、高市の国家観に共鳴したという。大阪市議時代に非自民に転じていた藤川が自民党総裁選に本格的に関わるのは、1982年自由民主党総裁選挙以来42年ぶりであった[7]。藤川は石丸を支援していたフリーのYouTuberらにお願いをし、高市支援を呼びかけたという[8]。同月にはアメリカ大統領選挙に立候補しているドナルド・トランプ前大統領の秘書に打診し、石丸とトランプが5分程度会談する方向で調整したが、石丸が「忙しいです」と述べ行かなかったため実現しなかった[8]

同年10月の第50回衆議院議員総選挙では、国民民主党が躍進。藤川によれば、同党の玉木雄一郎代表とは2回会食し、選挙についてアドバイスをしたという[8]

同年11月の兵庫県知事選挙では、再選を目指す斎藤元彦から支援を求められたが、藤川の友人である清水貴之もこの選挙に出馬していたため、「不義理はできない」として要請を断った[9]

2025年1月には石丸が新たな地域政党「再生の道」設立を発表。藤川の事務所の事務局長が退職し、新党の事務局長となった一方、藤川自身は関与していないとしている。また、石丸の新党が政策を出さない方針を示したことについて、「政策を語ってほしい」と苦言を呈した[10]

同年2月12日、デヴィ・スカルノらと共に12(ワンニャン)平和党の結成記者会見に出席し、同党の選挙対策委員長に就任したことを発表した[11]

しかし、会見から約1か月後となる同年3月11日1時54分、東京都内の病院で死去した[12]。71歳没。藤川選挙戦略研究所の関係者の話によれば、右足を低温火傷した事が要因で細菌が入り、また心臓にも持病を抱えていたことで2月下旬から入院加療を受けていたという。亡くなる前日までは会話もできていたが、未明に容態が急変したとされる[13]。同年4月25日、12平和党は、夏の参院選への候補者擁立を断念し、解散したと発表した。スカルノは公式サイトの動画で「藤川氏の逝去という予想できない事態に加え、私自身の日本国籍への帰化承認問題が未解決のままで現在に至っている。政党としての活動を、残念ながらここでいったん終了することを決断せざるを得なかった」と説明した[14]

人物

  • 参謀役を務めた選挙の結果は、130勝14敗(2024年8月時点)[1]であるとされ、「選挙の神様」とも呼ばれる[15]

脚注

  1. ^ a b c d e “「石丸伸二氏から一銭ももらわず」藤川晋之助氏、選挙の神様は「政界の大谷翔平を探す」”. 産経新聞. (2024年8月23日). https://www.sankei.com/article/20240823-3NF6ONH54BDAHIDNRQRDBCQFFU/ 2024年8月25日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g h i j “141戦してわずか11敗…「選挙の神様」が残りの人生を政界再編に掛ける理由”. 東京新聞. (2022年12月22日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/221332 2023年6月30日閲覧。 
  3. ^ “名張市長選(1998年4月12日)”. 中日新聞. (1998年4月12日). https://www.chunichi.co.jp/article/5676 2023年6月30日閲覧。 
  4. ^ 平成24年度 役員”. 減税日本. 2023年6月30日閲覧。
  5. ^ “石丸伸二氏が「政界の大谷翔平になれ」に返した言葉は意外なものだった…都知事選の参謀役が語る素顔と課題”. 東京新聞. (2024年7月29日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/343018 2024年9月18日閲覧。 
  6. ^ “「石丸フィーバー」なぜ起きた? 「政治が面白い」「人柄を信じられる」と無党派層に言わせた独自の戦略”. 東京新聞. (2024年7月7日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/338573 2024年7月9日閲覧。 
  7. ^ “〝選挙の神様〟藤川晋之助氏、高市早苗氏を支援 自民総裁選で「国家観に共鳴」”. 産経新聞. (2024年9月17日). https://www.sankei.com/article/20240917-GWEF22B3HVDR5M4IKGCBYYLP4I/ 2024年9月18日閲覧。 
  8. ^ a b c “幻の「石丸伸二・トランプ会談」実現していれば… 元参謀・藤川晋之助が語る「新党」の展望とSNS選挙”. 東京新聞. (2024年12月26日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/375421 2025年2月4日閲覧。 
  9. ^ “「せっかくの優秀な人材があんな形で足を引っ張られるなんて…」《選挙の神様》藤川晋之助から見た「齋藤知事と立花孝志」”. 週刊現代. (2024年12月18日). https://gendai.media/articles/-/143390 
  10. ^ “衆参同日選で「玉木首相」掲げ政権交代も 藤川晋之助氏が展望「石丸新党は政策を語れ」”. 産経新聞. (2025年1月20日). https://www.sankei.com/article/20250120-RJRGFVLOGFEXJHWEOV4YX7GLNA/ 2025年2月4日閲覧。 
  11. ^ “デヴィ夫人、参院選出馬に向け帰化申請 犬猫保護を掲げ「12(ワンニャン)平和党」設立”. 産経ニュース. (2025年2月12日). https://www.sankei.com/article/20250212-2GQVCLGB6VEMLBKNNUSDUFJTXM/ 2025年2月12日閲覧。 
  12. ^ "「選挙の神様」藤川晋之助氏が死去 71歳 2月にはデヴィ夫人の記者会見に同席". 産経ニュース. 産経デジタル. 2025年3月11日. 2025年3月11日閲覧
  13. ^ “「選挙の神様」藤川晋之助さん急死 都知事選での石丸伸二氏躍進の立役者 2月下旬から入院”. スポーツ報知. (2025年3月11日). https://hochi.news/articles/20250311-OHT1T51066.html 
  14. ^ “12平和党が参院選擁立断念し解散 デヴィ夫人帰化遅れや書類送検、藤川晋之助氏死去響く”. 産経新聞. (2025年4月25日). https://www.sankei.com/article/20250425-243UQ4RQHVDLNEDXSRVWS2BCH4/ 2025年4月26日閲覧。 
  15. ^ “日本で唯一の首長予備校 開設”. 毎日新聞. (2023年4月30日). https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20230426/pol/00m/010/010000c 2023年6月30日閲覧。 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  藤川晋之助のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「藤川晋之助」の関連用語

藤川晋之助のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



藤川晋之助のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの藤川晋之助 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS