ラウールの法則
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ラウールの法則(ラウールのほうそく、英: Raoult's law)とは、「混合溶液の各成分の蒸気圧はそれぞれの純液体の蒸気圧と混合溶液中のモル分率の積で表される」という法則である。不揮発性の溶質を溶媒に溶かすと溶液の蒸気圧が下がる蒸気圧降下(じょうきあつこうか、vapor pressure depression)の現象について成り立ち、これは束一的性質のひとつである。その名はフランソワ=マリー=ラウールにちなむ。
- ^ 『基礎化学1 - 物質の構成と変化』(実教出版、2006年) ISBN 978-4-407-30853-2
- 1 ラウールの法則とは
- 2 ラウールの法則の概要
- 3 関連項目
蒸気圧降下
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ラウールの法則とも呼ばれ、純溶媒の蒸気圧を P° とすると、希薄溶液中の溶媒成分の蒸気圧 PA は溶媒成分のモル分率 XA に比例し、次の関係が成立する。 P A = P ∘ X A {\displaystyle P_{\text{A}}=P^{\circ }X_{\text{A}}} 溶質がすべて不揮発性である場合は、溶液の蒸気圧 P は溶媒成分の蒸気圧 PA に等しい。
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蒸気圧降下
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理想希薄溶液の溶媒の化学ポテンシャルは、完全溶液の化学ポテンシャルと同じ形である。よって、理想希薄溶液の溶媒の蒸気圧はラウールの法則に従う。 P 1 , vap = P 1 , vap ∗ X 1 {\displaystyle P_{1,{\text{vap}}}=P_{1,{\text{vap}}}^{*}X_{1}} 溶質の蒸気圧が測れないくらい低いとき、この溶質を不揮発性の溶質という。例えばショ糖水溶液におけるショ糖は不揮発性の溶質である。理想希薄溶液の溶質がすべて不揮発性であるとき、この溶液の蒸気圧は溶媒成分の蒸気圧に等しい。 P vap = P 1 , vap = P 1 , vap ∗ X 1 = P 1 , vap ∗ ( 1 − ∑ i ≠ 1 X i ) {\displaystyle P_{\text{vap}}=P_{1,{\text{vap}}}=P_{1,{\text{vap}}}^{*}X_{1}=P_{1,{\text{vap}}}^{*}\left(1-\sum _{i\neq 1}X_{i}\right)} この式は、純物質の液体に不揮発性の物質を少量溶かすと液体の蒸気圧が低くなることを示している(蒸気圧降下)。また、その低下の割合は溶質のモル分率の総和で決まり、溶質の種類には依らないことを示してる。蒸気圧降下は、理想希薄溶液の束一的性質のひとつである。
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