ラウールの法則と沸点上昇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/03 07:17 UTC 版)
「ラウールの法則」の記事における「ラウールの法則と沸点上昇」の解説
ラウールの法則によると、溶液の蒸気圧p は純粋な溶媒蒸気圧p0 、溶媒および不揮発性溶質のモル分率をそれぞれ、χ0、 χ1 とすると、 p 0 − p p 0 = 1 − χ 0 = χ 1 {\displaystyle {\frac {p_{0}-p}{p_{0}}}=1-\chi _{0}=\chi _{1}} となる。ここで、 Δ p = p 0 − p {\displaystyle \Delta p=p_{0}-p} は蒸気圧降下である。溶媒および不揮発性溶質の物質量をそれぞれ、n0、n1とすると、希薄溶液ではn0 >> n1と見なしてよいから、 χ 1 = n 1 n 0 + n 1 ≅ n 1 n 0 {\displaystyle \chi _{1}={\frac {n_{1}}{n_{0}+n_{1}}}\cong {\frac {n_{1}}{n_{0}}}} 溶媒の質量W0 [kg]、モル質量をM0 [g/mol]とおくと(※電解質溶液においてはファントホッフの因子(英語版)を導入して補正)、 χ 1 = n 1 n 0 = n 1 M 0 1000 W 0 {\displaystyle \chi _{1}={\frac {n_{1}}{n_{0}}}={\frac {n_{1}M_{0}}{1000W_{0}}}} したがって、 n 1 W 0 {\displaystyle {\frac {n_{1}}{W_{0}}}} を質量モル濃度m、 M 0 p 0 1000 {\displaystyle {\frac {M_{0}p_{0}}{1000}}} を溶媒固有の定数kとおくと、蒸気圧降下は質量モル濃度に比例することがわかる。 Δ p = n 1 n 0 p 0 = n 1 M 0 1000 W 0 p 0 = k m {\displaystyle \Delta p={\frac {n_{1}}{n_{0}}}{p_{0}}={\frac {n_{1}M_{0}}{1000W_{0}}}{p_{0}}=km} 希薄溶液で沸点近くの狭い温度範囲を考えれば、水と溶液の蒸気圧曲線は近似的に曲線の傾きが等しい、または平行な直線とみなせるので、 Δ p ∝ Δ T {\displaystyle \Delta p\varpropto \Delta T} という関係がある。ただし、 Δ T {\displaystyle \Delta T} は沸点上昇を表す。
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