菜種の里とは? わかりやすく解説

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菜種の里

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/16 16:17 UTC 版)

菜種の里(なたねのさと)は、島根県松江市で作られている和菓子で、茶人としても名高い松江藩7代藩主松平治郷(不昧)によって考案された、いわゆる「不昧公御好み」の茶菓子の一つ。『茶禅不昧公』には「春は菜種の里」と記載されている[1]

寒梅粉砂糖を使いしっとりと仕上げた菜の花色の落雁に焙じた玄米を散らす[1]。春の菜の花畑を蝶が舞うさまを表現している[1][2][3]。板状で供されるが、手で割って、割れた形状も見て楽しむ[2]

松江藩家老有沢家の命に依って、面高屋(おもだかや)新四郎が創り、治郷に調進したと伝えられている[1]。その際に、治郷は引歌として「寿々菜さく 野辺の朝風そよ吹けは とひかう蝶の 袖そかすそふ」を詠んだと伝えられる[3]昭和天皇皇后と皇太子夫妻(現上皇上皇后)が松江を訪問した際に、御料菓子として献上されたこともある[3]

山川若草と合わせて不昧公三大銘菓と呼ぶこともある[4]

山川、若草同様に明治維新以降になって製法は途絶するが、菜種の里は昭和4年創業の三英堂が復活させた[5]

出典・脚注

  1. ^ a b c d 松江の和菓子” (PDF). 松江市立図書館だより「ちどり」No.75. p. 2 (2017年12月・冬号). 2017年10月24日閲覧。
  2. ^ a b 甲斐みのり『春夏秋冬お菓子の旅』主婦の友社、2010年、14頁。ISBN 9784072637456 
  3. ^ a b c 茶どころ松江”. さんさんクラブ. 山陰中央新報. 2022年1月29日閲覧。
  4. ^ 『楽楽 松江・出雲・石見銀山・境港(2017年版)』JTBパブリッシング、2016年、61頁。ISBN 9784533113826 
  5. ^ 岸朝子『新訂版 全国五つ星の手みやげ』東京書籍、2014年、600頁。ISBN 978-4487808267 

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