山川_(菓子)とは? わかりやすく解説

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山川 (菓子)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 21:19 UTC 版)

割る前の山川

山川(やまかわ)は、島根県松江市銘菓となっている和菓子。いわゆる「不昧公御好み」の茶菓子の一つ[1][2][3]

文化3年(1806年)に江戸品川宿の伊勢屋越後大掾が松江藩7代藩主松平治郷(不昧)の詠んだ「散るは浮き 散らぬは沈む もみじ葉の 彩は高尾に 山川の水」にちなんで創作した[4]。伊勢屋で修業した松江藩菓子司の面高屋船越新四郎道順によって松江に伝えられた[4]。また、松江の三津屋作兵衛(現・一力堂)が不昧から命じられて創作したという説もある[5]。三津屋は「不昧翁好み山川」の公称を松平家から許されていた[5]

廃藩後には、こういった菓子屋は公の庇護を失うことになり、日本国外から安価な砂糖が輸入されるようになったことから、新興の菓子屋が安くて質の悪い「山川」を作るようになった[5]。名誉を惜しんだ旧来の菓子屋は「不昧翁好み山川」を作らなくなり[5]、断絶することになった。

大正時代に風流堂が復刻させた[1][2][4][6]

落雁の一種であるが、紅白一対になっており、手で割って食べる[6]。赤は紅葉の山、白は川のせせらぎを表現する[1][2][3]若草菜種の里と合わせて不昧公三大銘菓と呼ぶこともある[7]

新潟県長岡市大和屋越乃雪石川県金沢市森八長生殿と共に、日本三大銘菓の一つにも数えられている[1]

出典・脚注

  1. ^ a b c d 『ココミル 松江 出雲 石見銀山 境港(2017年版)』JTBパブリッシング、2016年、42頁。ISBN 9784533116414 
  2. ^ a b c 『マニマニ 出雲大社 松江 鳥取』JTBパブリッシング、2016年、82頁。 ISBN 9784533111044 
  3. ^ a b 守安正『日本名菓辞典』東京堂出版、1971年、25頁。 
  4. ^ a b c 青木直己(監修)『美しい和菓子の図鑑』二見書房、2021年、137頁。 ISBN 9784576210636 
  5. ^ a b c d 大名茶人として有名な松江藩主・松平治郷(不昧)が好んだ和菓子を作っていたのは、何という店か。その店は現在も残っているか。” (2019年9月12日). 2023年4月17日閲覧。
  6. ^ a b 甲斐みのり『春夏秋冬お菓子の旅』主婦の友社、2010年、15頁。 ISBN 9784072637456 
  7. ^ 『楽楽 松江・出雲・石見銀山・境港(2017年版)』JTBパブリッシング、2016年、61頁。 ISBN 9784533113826 

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