花園渓谷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/20 05:32 UTC 版)
花園川の上流部、本流の約3キロメートル区間と、花園橋(県道27号)付近で分かれて花園神社から奥の院へ至る支流の一部は花園渓谷と呼ばれている。 本流は、花園山の北麓から東麓にかけて曲がりくねったV字谷となっており、途中には「与四郎の滝」などがある。支流側は、花園山の南麓にある花園神社から奥の院へ2キロメートルほど遡ると、「七ツ滝」がある。七ツ滝は険峻な岩場を7段に渡って落ちているところからついた名で、茨城県の名勝指定を受けており(昭和27年(1952年)12月18日指定。)、1950年には茨城百景茨城百景に選ばれた。 花園神社の社伝によると、七ツ滝の滝壺は花園川・大北川の河口にある磯原海岸の沖にある岩場の穴に通じているのだという。その滝壺の底に棲むアワビが花園神社の御神体とされているため、神社の氏子はアワビを食してはならないとされている。神社では7年に1度、河口の岩場で「潮出祭」という神事を行っている。 花園渓谷一帯には、「花園」の地名の由来とされるアズマシャクナゲの群落があり、茨城県の天然記念物「花園山シャクナゲ群落」として昭和11年(1936年)に指定を受けた。しかし、庭木として持ち去られたり、群落を潰して道路を通したりしたために、いまでは群落はかなり減ってしまい、渓谷の奥地でしかみられなくなった。それでも5月の開花期には花園神社の境内などでシャクナゲが見られる。神社の春季例祭は「石楠花祭」と呼ばれている。 本流と支流が合流する花園橋付近にはオートキャンプ場なども整備されており、渓谷一帯を散策する出発地点となっている。
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