自由主義史観とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 自由主義史観の意味・解説 

自由主義史観

(自由主義史観研究会 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 14:19 UTC 版)

自由主義史観(じゆうしゅぎしかん)とは、日本の社会科教育学者の藤岡信勝(当時東京大学教授)の唱えた歴史検証法および史観。

定義

提唱者や支持者は、「大東亜戦争肯定史観[注釈 1]」と「東京裁判史観」「コミンテルン史観[注釈 2]」のいずれにも与しない立場を取っているとしており、「自由主義」という名前を冠しているのも、これらを廃した自由な史観だからだという意味で、(政治思想の)自由主義とはもともと関係がないので注意を要する。

藤岡の著書『自由主義史観とは何か』によると、ここでの自由主義は「個人主義ないし個人の自律性にそれぞれ志向するイデオロギー」ということで、左翼的な史観が支配的だった戦後の歴史学や教育学から、「自由」ということであり、具体的には、東京裁判や南京事件など自虐史観とされる特定の論点について、疑問を投げかけて再考を促し、批判する。そのため、一方で反対論者からは「歴史修正主義(修正主義)」や「新皇国史観」と呼ばれて批判されるため、立場によって呼び方が異なることがある。

唯物史観論者の永原慶二は、『「自由主義史観」批判』の中で西尾幹二の『国民の歴史』を批判している。

その他

1996年から1998年にかけて、産経新聞で、藤岡の「教科書が教えない歴史」が連載された(のちに書籍化)。主導したのは編集局長住田良能。自由主義史観に立った「新しい歴史教科書市販本」を出版した扶桑社は、共にフジサンケイグループである。自由主義史観に肯定的な立場の「ゴーマニズム宣言」がベストセラーとなったこともある。

脚注

注釈

  1. ^ 従来の右翼史観をさす。近代日本の戦争の評価について「日本は少しも悪くなかった」というもの。
  2. ^ この二つは左翼史観をさす。前者は、近代日本の戦争の評価について「日本だけが悪者」というもの。後者は、唯物史観(マルクス史観)を言い換えたもので、日本教職員組合の教える歴史がこれにあたると主張される。

出典

参考文献

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「自由主義史観」の関連用語

自由主義史観のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



自由主義史観のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの自由主義史観 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS