自己決定権と嘘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 05:59 UTC 版)
世界的には、ひとりひとりの人が自分自身の生き方を選ぶ権利(残された時間をどのように使うか選ぶ権利、自分が思うように生きる権利)が重視されており、病名は正直に伝えられている。1960年代、米国での患者へのガン告知率は12%であったが、政治運動及び訴訟の増加に伴い告知率は増加した。フランス、スペイン、イタリア、ギリシアなど南欧、また東欧では、社会通念や宗教的事由から概ね50%台の告知率とされている。かつて日本でも社会通念から末期ガン等の病気の本当の名前が告知されず、医師から患者へ嘘の病名が告知されることが多かったが、2009年のガン告知率は90%台に達している。親族などは「本人に真実を伝えることが辛過ぎるため」と(自分にも一種の嘘をつきつつ)、患者に対して嘘をつくことが多かった。だが日本でもインフォームド・コンセントや、自己決定権という概念が理解されるようなって、嘘はつかずに真実が伝えられることが次第に増えてきていて、すでに事実を伝える人々の割合が8~9割ほどになっている。
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