臨床上の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 05:07 UTC 版)
結核の治療において、ピラジナミドはイソニアジドやリファンピシンといった他の抗結核薬と組み合わせることでのみ使用され、決して単独で使用されることはない。また結核以外での適応もない。さらに、他のマイコバクテリウム属の細菌による疾患を治療する目的で使われることもない。ウシ型結核菌やらい菌は、生得的にピラジナミドに対して抵抗性を持つ。ピラジナミドは宿主細胞の外で旺盛に増殖する結核菌よりも宿主細胞内に寄生し代謝の低下した菌に対して有効であり、治療期間を短縮する目的で治療の最初の2か月間に投与される。ピラジナミドを使用しない治療計画では、治療に9か月かそれ以上を要する。 ピラジナミドとリファンピシンの併用は、潜在性結核の治療にしばしば用いられる手法である。 ピラジナミドは抗尿酸排泄効果を示すことがあるため、高尿酸血症や高尿酸尿症の原因の診断に適用外使用されることがある。ピラジナミドは尿酸トランスポーター (URAT1) に作用する。 ピラジナミドは、抗インフルエンザウイルス剤ファビピラビルとの併用で血中尿酸値を上昇させる。ピラジナミド投与下でのファビピラビル併用投与には注意を要する。 ピラジナミド1.5g1日1回、ファビピラビル1200/400mg1日2回が投与されたとき、血中尿酸値はピラジナミド単独投与時及びファビピラビル併用投与時でそれぞれ11.6mg/dl及び13.9mg/dlであった。
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