胆道系と消化管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 23:07 UTC 版)
生成した胆汁酸は、タウリンやグリシンや硫酸やグルクロン酸によって抱合を受け、抱合胆汁酸の形にされる場合が多い。いずれにしても胆汁酸は、肝細胞から胆管へと分泌される。胆管へと分泌された胆汁酸類は、胆嚢に蓄えられて濃縮される。 そして、食物が胃から十二指腸へと送られてくると、胆嚢に蓄えられた胆汁酸は、十二指腸の管内に分泌される。ただし、小腸下部の回腸で、今度は胆汁酸の大部分を、わざわざ能動輸送を行って体内へと回収している。 なお、ヒトでは1日あたり800 mgのコレステロールを生合成し、その半分は胆汁酸の新たな合成に使用されている。毎日、合計で20 gから30 gの胆汁酸が、十二指腸内へと分泌されている。分泌される胆汁酸の約9割は、小腸下部の回腸で、能動輸送によって再吸収される。これによって、胆汁酸の大部分の再利用が可能である。つまり、胆汁酸は肝臓を出て、十二指腸に流れ出て、腸管から再吸収されて、再び肝臓に戻ってくるというサイクル、いわゆる腸肝循環を起こす物質の1つである。このため胆汁酸の産生量が少ないのにもかかわらず、消化器官への胆汁酸の大量分泌が可能なのである。
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