聖罪状板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 15:38 UTC 版)
ローマにあるサンタ・クローチェ・イン・ジェルサレンメ聖堂にはイエスの十字架に掲示された罪状書きとされる木板の一部が現存しており、コンスタンティヌス1世の母・ヘレナが325年にこの教会を建てた際に納めた聖地(パレスチナ)よりもたらした聖遺物の一つと言われている。ギリシア・ラテン語部分の一部のみが現存し、しかもそれが鏡文字になっていることが特徴的である。 多くの学者はこの聖遺物をイエスの十字架に付けられた銘板そのものではなく、後世の偽物と見なしている。近年、ドイツ人ジャーナリストミヒャエル・ヘッセマンや聖書学者のカールステン・ペーター・ティーデはこの罪状板が本物であると主張したが、ほかの学者から批判を受けていた。2002年に放射性炭素年代測定法を用いた年代調査が行われた結果、この木板の推定制作時期は980年から1146年の間であるという結果が出た。 なお、4世紀末にエルサレムを訪れた修道女のエゲリアの『巡礼記』によると、罪状板(titulus)は当時、イエスが処刑され葬られた場所の上に建てられた聖墳墓教会にイエスの十字架の破片とともに奉安されていた。570年代に聖地へ巡礼の旅に出たピアチェンツァ出身の人が書いた巡礼記にもこの銘板が聖墳墓教会にあったと記述している。
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