聖母被昇天 (カラッチ)とは? わかりやすく解説

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聖母被昇天 (カラッチ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 13:30 UTC 版)

『聖母被昇天』
スペイン語: La Asunción de la Virgen
英語: Assumption of the Virgin
作者 アンニーバレ・カラッチ
製作年 1588-1590年ごろ
種類 キャンバス上に油彩
寸法 130 cm × 97 cm (51 in × 38 in)
所蔵 プラド美術館マドリード

聖母被昇天』(せいぼひしょうてん、西: La Asunción de la Virgen: Assumption of the Virgin)は、イタリアバロック絵画の巨匠アンニーバレ・カラッチが1588-1590年に[1]キャンバス上に油彩で制作した絵画である。カトリック教会教義である「聖母マリアの被昇天」を主題としている。第6代モンテレイ伯爵 (Count of Monterrey) によりイタリアからもたらされ、スペイン王フェリペ4世に献上された作品で[2]、1656年にエル・エスコリアル修道院に運ばれた[1]。1839年以来、マドリードプラド美術館に所蔵されている[1][2]

作品

本作を誰が、いつ委嘱したかは何もわかっていない。サイズが比較的小さいため、個人の礼拝堂のための作品であった可能性がある[1]。1587年制作のアルテ・マイスター絵画館 (ドレスデン) にある別の『聖母被昇天』の準備作品として誤って考えられたことがあるが、コレッジョの名残を留めるドレスデンの作品と関わりがないことは確かである[1]

プラド美術館の『聖母被昇天』は古典主義の要素を持っている[3]が、アンニーバレがヴェネツィア派の画家、とりわけティツィアーノティントレットに魅惑されていたことを示している。後者の『聖母被昇天英語版』 (イ・ジェズィーティ教会英語版ヴェネツィア) は、アンニーバレに感銘を与えたにちがいない。また、ヴェロネーゼも彼を触発した可能性がある。いずれにしても、アンニーバレは、本作でヴェネツィア派絵画の伝統である「シミ」と「色彩」の実験をしているようである[1]

なお、カラッチは、祭壇画の『聖母被昇天』 (1600-1601年) をローマサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂英語版チェラージ礼拝堂英語版のためにも描いている。この作品は本作とは異なり、ラファエロ的な様式を凝結したものである[4]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b c d e f The Assumption of the Virgin”. プラド美術館公式サイト (英語). 2024年2月27日閲覧。
  2. ^ a b 『プラド美術館』、1990年、164頁。
  3. ^ 『プラド美術館』、1990年、132頁。
  4. ^ 週刊グレート・アーティスト 59 カラッチ、1991年 11頁。

参考文献

外部リンク




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