老人のモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 23:46 UTC 版)
上記の老漁師の話は、「ピラール号」の初代船長だったカルロス・グティエレスがヘミングウェイに伝えたもので、グティエレスはサンチャゴ老人の性格のモデルとされている。ヘミングウェイがグティエレスと出会ったのは30代のときで、当時の漁の写真のほとんどに現れているほどヘミングウェイは彼に惚れ込んでいた。グティエレスはまた、1920年代に自分が取り逃がした巨大なマカジキの話もヘミングウェイにしていた。同じく「ピラール号」の船長を務めていたグレゴリオ・フエンテスが『老人と海』の老人のモデルだとされることがあるが、フエンテスは2代目の船長であり、物語に直接関わってはいない。とはいえ、彼がヘミングウェイとともに過ごした体験が投影されている可能性はある。 また、ヘミングウェイはインタビューにおいて、偶然出会ったハバナの老漁夫の話から『老人と海』の素材を得たとも語っている。インタビュアーのK.シンガーがこの老漁夫を探し当てたところ、マヌエル・ウリバッリ・モンテスパンという名前の漁師であり、モンテスパンは当地を訪れる観光客らの話題となった。後にモンテスパンは、ヘミングウェイに材料を提供したのに自分はなにも報酬が得られず、作者は舟をくれる約束だったとして告訴したが、その事実はなかったとして棄却されている。
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