翼とその風圧中心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:30 UTC 版)
「主翼」も参照 翼は、下面の正圧(押し上げ)と上面の負圧(吸い上げ)によって上向きの揚力を発生するが、その圧力を横から見た場合、前縁から後縁まで一様にかかっている状態ではない。上向きの力は、前縁から15から30%部分までの比率が大きく、前縁や後縁部分は小さく、全部をまとめた場合は、概ね25%ほどの部分に圧力がかかる。この位置を風圧中心と呼ぶ。 尾翼のない単独翼でも、風圧中心と重心を一致させておけば、揚力と重力が同じ点にかかるので、釣り合い、飛行する。但し、何らかの外力(例えば突風)で上または下を向き、迎え角が増減した場合は、元にもどす働きはなく、そのまま突っ込み、あるいは失速する。つまり単独翼は一般に安定ではない。 これに加えて、普通の翼型では迎え角が増えると風圧中心は前縁方向に移動する。従って重心よりも前に揚力がかかるわけで、前が持ち上げられ、更に迎え角が増え、失速に至る。つまり、更に姿勢が崩れるわけで、不安定である。
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