美星スペースガードセンターとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 学者・研究者 > 天文学者 > 小惑星発見者 > 美星スペースガードセンターの意味・解説 

美星スペースガードセンター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 08:30 UTC 版)

美星スペースガードセンター

美星スペースガードセンター(びせいスペースガードセンター、the Bisei SpaceGuard Center、BSGC[1])は、岡山県井原市美星町にある光学望遠鏡を用いてスペースデブリ地球近傍小惑星を観測する施設である。主な利用者は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の追跡ネットワーク技術センター SSAシステムプロジェクトチーム。隣接した場所に美星天文台がある。

概要

口径1mの大型光学望遠鏡により、地球近傍小惑星や高度36,000kmの静止軌道近傍のスペースデブリを観測する。その他に、50cm・25cm口径の追尾用小型望遠鏡がある。最初からスペースデブリ等の観測を目的として設計された施設は、世界でも初めてである。

施設は2000年平成12年)度に一般財団法人日本宇宙フォーラム(JSF)、NPO法人日本スペースガード協会、当時の科学技術庁によって設置され、日本宇宙フォーラムが所有していた[2]2017年(平成29年)4月にJAXAに移管された。観測業務は日本スペースガード協会が実施している[2]

小惑星観測プロジェクトは「バッターズ (BATTeRS, Bisei Asteroid Tracking Telescope for Rapid Survey) 」と名付けられ、プロ野球選手の写真入りのロゴマークが作られている。

観測設備

大型望遠鏡

  • 1m光学望遠鏡
    • 諸元
      • 焦点モード:カセグレン焦点、合成F 約3
      • 視野直径:3度角
      • 最大追尾速度:赤経・赤緯1度/秒以上
      • 架台方式:フォーク式赤道儀
      • CCDカメラ:視野直径約160mm、2,000×4,000ピクセルのチップを10枚並べたものを使用していた。近年は、より高感度なチップ4枚を並べたものを使用している。
      • CCD温度:観測時は約-100℃
      • 観測能力:18等級[3]

追尾用小型望遠鏡

  • 50cm光学望遠鏡(主に高速で移動するスペースデブリ等の追尾観測のために使われている)
    • 諸元
      • 焦点モード:カセグレン焦点、合成 約2
      • 視野直径:2度角
      • 最大追尾速度:赤経・赤緯5度/秒以上
      • 架台方式:フォーク式赤道儀
      • CCDカメラ:視野直径約50mm、2,000×4,000ピクセルのチップを2枚並べたものを使用していた。近年は老朽化のため、U42(アポジー社)を使用している。
      • CCD温度:観測時は約-20℃(現カメラ)(旧カメラ:約-90℃)
      • 観測能力:16.5等級[3]
  • 25cm光学望遠鏡(1m及び50cm光学望遠鏡の補助として使用されている)
    • 諸元
      • 焦点モード:ベーカーリッチクレチアン式、合成F 約5
      • 視野直径:5度角
      • 最大追尾速度:赤経・赤緯5度/秒以上
      • 架台方式:ドイツ式赤道儀
      • CCDカメラ:2,000×2,000ピクセルのCCDを1個使用
      • CCD温度:観測時は約-20℃

観測成果

脚注

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」から美星スペースガードセンターを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から美星スペースガードセンターを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から美星スペースガードセンター を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「美星スペースガードセンター」の関連用語

美星スペースガードセンターのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



美星スペースガードセンターのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの美星スペースガードセンター (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS