綿織物と香辛料貿易
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:20 UTC 版)
インド洋は、イスラームが広まるとマッカ巡礼のルートとしても交流が活発となった。インド洋の貿易ではインド産の綿織物が質がよく、綿織物を入手するためにマラバール海岸、スマトラ、ジャワではコショウやカルダモン、セイロン島ではシナモン、モルッカ諸島ではクローブなどを輸出した。インド洋貿易における香辛料は綿織物と取り引きするための生産物であったが、香辛料がインド洋を横断して地中海に運ばれると珍重され、高値で取引された。そのためモルッカ諸島は香料諸島とも呼ばれた。地中海からインド洋への輸出品は銀を中心とする金属、工芸品、奴隷などに限られ、ヨーロッパでは毛織物も特産物として輸出しようとしたが成功せず、逆にインドの綿織物がヨーロッパで注目されるようになる。地中海からの輸出は品目が増えなかったため、取り引きされる香辛料の量も限られ、高価な状態が続いた。
※この「綿織物と香辛料貿易」の解説は、「貿易史」の解説の一部です。
「綿織物と香辛料貿易」を含む「貿易史」の記事については、「貿易史」の概要を参照ください。
- 綿織物と香辛料貿易のページへのリンク