絶滅年代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 17:02 UTC 版)
地質時代の年代分析については、1990年代以降新しい分析技術に基づいた研究が著しく進んだ。このP-T境界についてもそれまでは何百万年も続いた出来事だと考えられてきたが、1994年にStanleyとYangがペルム紀末の絶滅が800万年から1000万年の間を隔てた2回の大量絶滅であることを発表し、さらに1996年にアメリカのノルが「絶滅事件は約2億6000万年前と約2億5000万年前の2回起こった」とサイエンスに発表した。最初の2億6000万年前の事件は、ペルム紀中期に相当するガダルピアン世の末期に相当するが、海水準が突然低下し多数の海洋生物が絶滅したとされており、陸上生物についても環境変化による大量絶滅があった。2番目の事件が古生代の生態系が壊滅した破局的な大量絶滅に相当する。2番目の(本来の)大絶滅事件については中国南部の煤山にある当時の礁の地層に挟み込まれた複数の火山灰の分析から、2億5160万年前に突然絶滅が始まり続く百万年で大絶滅が起こったと想定されている。この年代値は中国の煤山と、そこから1000km離れた中国広西壮族自治区にあるP-T境界層で同じ値が得られている。Haijiun Song他 (2013) による研究では、この絶滅イベントは、ペルム紀末 (252.28Myr) と三畳紀最前期 (252.10Myr) の2回に分かれ、前者では大半の浮遊生及び若干の底生生物を中心に56.5%の種が絶滅し、後者では、残った内の70.9%の種が絶滅したと結論づけている。
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