紫砂系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/29 06:49 UTC 版)
もともと磁器も生産していた中国宜興で明の頃から作られ始めたもので、鉄分の多い胎土を使った、無釉で紫褐色 - 赤褐色の焼き物。色により紫泥、朱泥、緑泥などに分ける。茶壷(急須)などの茶器や植木鉢が多い。17世紀以降喫茶の習慣とともにこの茶器がヨーロッパに大量に輸出され、イギリスのジョン・ドワイトやジョサイア・ウェッジウッドがこれを模倣したものを制作した。特にウェッジウッドの「ロッソ・アンティコ」は有名で、中国風の他古代エジプト風意匠の器物も多く作られた。一方、日本でも幕末の常滑において朱泥の製作が始まり、清から陶工を招いて技術を学び、本格的に生産されるようになった。また萬古焼でも紫泥の生産が開始され、これらにおいて急須や茶碗、植木鉢、土鍋などが現在でもよく作られている。表面の肌理が細かいものが多く、長く使い込むことによって艶が生じ、それにより美的価値も上がるとされる。なお紫砂の表記は中国陶芸で主に用いられ、日本では一般的に紫泥という。
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