紙片の夢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 03:29 UTC 版)
シュミットのエテュム理論は、彼の大作である「紙片の夢」の作中で発展していく。作中では、意識の流れの中で、年配の作家がエドガー・アラン・ポーの作品について論評するのだが、その一方でポーを翻訳することについて数人の翻訳者達と議論しながら、彼らの十代の娘といちゃついているのである。シュミットはまた、1966年から73年にかけて、ハンス・ヴォルシュレーガーとの共訳で、エドガー・アラン・ポーの翻訳を完成させている。中には、「紙片の夢」を芸術ではない、あるいは全くの無意味な作品だとし、シュミットのことは精神病質者だとして、作品についても著者のことも退けるような批評家もいた。しかし、彼に対する難解な作家だという評価や彼の作品についての「芸術ではない」といった評価はもはや色褪せ、そして現在では、20世紀における最も重要な作家のひとりであるとみなされるようになっている。
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