紋章学におけるドラゴンとの区別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 07:10 UTC 版)
「ワイバーン」の記事における「紋章学におけるドラゴンとの区別」の解説
「二足の竜」の図像は、イギリスを除くヨーロッパではドラゴンの一般的な形態の一つとして扱われており、これをワイバーンとしてドラゴンから区別するのはイギリスおよびイギリスの旧植民地に特有のことである。また、そのイギリスにおいても当初からワイバーンとドラゴンは区別されていたわけではない。二足の竜をドラゴンと読んだ例も、四足の竜をワイバーンと呼んだ例もあるため、過去の文献にあたる際にはワイバーンと記されていてもそれが即ち二足の竜を表しているとは限らないことに留意が必要である。 Barron (1905)は1530年の文献に対し、この時期の殆どの紋章記述においてドラゴンという術語は二足の竜を指しているとした。少なくともこの時期においてドラゴンとワイバーンは同一視されていたと言える。 Fox-Davies (1902)が「ワイバーンとドラゴンの区別は比較的最近のことであるのを忘れてはならない」とするように、四足のドラゴンがイギリスの紋章学に登場したテューダー期以降もワイバーンとドラゴンの区別は厳密に行われてきたわけではない。典型的な例が大英博物館の写本部の印章の目録(Birch 1887)であり、ここではそのテューダーの四足のドラゴンを指してワイバーンと呼び表している。
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