筆めっき法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/04 07:29 UTC 版)
密接に関連するプロセスとして「筆めっき法 (brush electroplating)」がある。この場合、めっき金属イオンを含む電解液を浸した筆で、めっき対象の物体の一部または全体にめっきを施す。筆めっき法で使う筆は、一般にステンレス鋼の電極本体に繊維性の素材を巻き付け、電極がめっき対象の物体に直接触れないようにすると共に、その繊維に電解液を保持するようになっている。これを低電圧の電源のプラス極に接続し、めっき対象の物体をマイナス極に接続する。筆を電解液に浸してめっき対象の物体へ塗るように動かし、めっきが均等に形成されるようにする。筆はアノードとして作用するが、筆本体はめっき金属を含まないことが多い。ただし、電解液の寿命を延ばすため、めっき金属を筆に使用する場合もある。 筆めっき法の利点は、装置が小型化できる点(電解槽を置く場所がなくとも電気めっきでき、建築物の一部にめっきするなどの用途がある)、めっき防止材がほとんど不要な点、電解液が少なくて済む点などがある。その一方、欠点としては作業者の技量に左右される点と厚いめっき層を形成できない点が挙げられる。
※この「筆めっき法」の解説は、「電気めっき」の解説の一部です。
「筆めっき法」を含む「電気めっき」の記事については、「電気めっき」の概要を参照ください。
- 筆めっき法のページへのリンク