第5の鑑定(高山鑑定)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 05:18 UTC 版)
次いで9月19日、九大教授の高山による鑑定結果が提出された。高山は、小笛の遺体の足許にあった火鉢とまな板に注目した。この火鉢は高さ約30センチメートルに過ぎず、加えて帯も床に足が着くような長さであるならば、火鉢とまな板を踏み台にして跳び下りたにしては(ロ)溝の皮下出血が激し過ぎる、と高山は指摘した。また遺体の姿勢に関しても、本件のように尻を突き出して両膝を曲げつつ片足は爪先立ちし、さらに両脚の間に火鉢がくるという様態は、自殺の場合には決して起こり得ないものである、と主張した。加えて、高山は日本国外での縊死体の研究例を引き、(ロ)溝の位置に索溝が生じる割合はマシユカの研究では160例中1例、ベルリン法医学教室の研究では169例中9例と極めて稀であり、甲状腺腫などを患っていない限り索溝が(イ)溝の位置を外れることもまずない、と述べた。 以上のように高山は小笛の自殺の可能性を否定し、中田と同様、小笛は首に巻かれた帯を下方向に引き結ばれて絞殺されたと鑑定した。後頸部に索溝がみられない点についても中田鑑定と同様に、腐敗により消失したか、あるいは後頸部に挟まったのが髱の部分であったため、頭髪に乱れが生じなかったのだとした。
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