童試
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:00 UTC 版)
童試とは、科挙の受験資格である国立学校の学生になるための試験である。童試を受ける者は、その年齢にかかわりなく、一律に童生(どうせい)、あるいは儒童(じゅどう)と呼ばれた。 童試は3年に一回、旧暦2月に行われ、順に県試・府試・院試の3つの試験を受ける。県試は、各県の地方官によって行われる。県試に合格したものは、その県を管轄している府の府試を受ける。府試は、各府の地方官によって行われる。さらに府試に合格したものは、皇帝によって中央から派遣された学政による院試を受ける。この院試に受かったものは生員となり、晴れて秀才と呼ばれ、国立学校への入学資格を得て、士大夫の一部とみなされるようになる。 童試は唐代のころから童子科として存在しており、唐代は10歳以下、宋代は15歳以下が対象となっていたようであり、及第者には解試免除や授位などがなされた。ここで特筆すべきは、南宋の時代に女童子の求試が2度もあったことであり及第者も誕生している。 科試・歳試 歳試とは、国立学校に入学した生員が受験する試験であり、3年に一度行われる定期学力試験である。成績優秀者の場合は地方官などに任命されることもあったが、成績不良の場合には停学もしくは生員たる資格を剥奪され退学処分を課せられる場合もあった。科試はこれに対して、科挙本試験の郷試を受けるための予備試験であり、受験者の数を絞ることが目的である。合格すると郷試の受験資格が与えられ、同時に生員から挙子と呼ばれるようになる。合格人数は次の郷試の会場である貢院(こういん)の余裕に合わせて決定され、おおむね郷試合格者の100倍程度の生員が合格した。
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