稼働・運営
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 20:05 UTC 版)
「欧州連合域内排出量取引制度」の記事における「稼働・運営」の解説
EU ETSには準備を進めてきた当時のEU加盟15か国が参加しており、名目上は2005年1月1日に稼働されたことになっている。ただし実際には、稼働当初の数か月間は各国内認証機関の相互間での連携ができなかった。しかしながらイギリスにおいて排出量取引制度が先行して稼働していたこともあり、市場参加者は円滑に取引を開始することができた。稼働初年には二酸化炭素排出量で3億6200万トン、取引額では72億ユーロが扱われ、また先物やオプションといった取引も行われた。排出許容量の価格は多少の値動きはあるものの大方安定してきており、2006年4月のピーク時には二酸化炭素1トン当たり約30ユーロの値を付けていたが、一部の国では排出量を削減する必要がなく、産業界に対して排出量制限を緩和するという知らせが伝わったことから、2006年5月には1トン当たりの価格が10ユーロを下回るようになった。またその後EU ETSのフェーズ I においては需要性が低下したこともあり、2007年3月には売買価格が1トンあたり1.2ユーロ、同年9月には0.10ユーロまで下落した。 このため専門家やNGOから各国政府に対して、産業界の圧力を受けた制度であり、正常なものではないとして批判が集まり、フェーズ II では排出量をはるかに厳しく制限するべきだという求めが強まった。
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