秋野鹿図縁頭
朧銀地高彫色絵 縁幅;40ミリ頭長;35.5ミリ |
切り立つように彫り口の鋭利な独特の深彫で、常にみる美濃彫とは趣を異にする秋野に鹿図を写実的な構成で表現した、大振りで量感のある作。美濃彫の多くは秋草に虫や菊花を題に採り、文様風に意匠した主題を極めて肉高に彫り出し、さらに地深く掘り下げることによって図柄を際立たせているが、ここでは楓の樹下に佇む鹿を、美濃彫の手法を生かしてしかも文様とせず、縁裏面に描かれた雌鹿とともに雌雄の活気ある姿を捉えた自然観の確かな作。朧銀地は黒味強く光沢深く、楓の葉が密に迫って深まる秋野の様子が的確に表現され、鹿の姿は高彫に毛彫が加えられて躍動感に満ち、さらには金の色絵によって印象深い光景とされている。 |
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