米俵図鐔

刀装具の世界

米俵図鐔

江戸中期 佐渡国―武蔵国江戸 鉄地竪丸形高彫 縦80.4ミリ横78ミリ 切羽台厚さ6.5ミリ 特製落込桐箱入

鉄地を肉厚の丸形に造り込み、碁石状に中央部を厚く耳際をわずかに薄く仕立て、これに富の象徴でもある米俵を極肉高に彫り出した、簡潔で引き締まった感のある作。地鉄は色合い深く微細な石目地によって渋い光沢がある。佐渡と江戸を往還した利貞の作品は、殊に鉄味が優れた作品を遺したことで高く評価されている。本作も利貞の魅力が充満している。