福島県の杵ガ森古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 20:17 UTC 版)
この古墳は、福島県会津坂下町で平成2年(1990年)に発見され、東北地方最古の前方後円墳なので、学術的な意義は大きい。後円部を横切る、最大幅約7cmの小さな地割れを境に、墳丘を形作る整地層に食い違いがみられる。そして、墳丘の最上部には近世中期の陶器類を含む盛り土があるが、この部分は地割れの影響を受けていなかったので、盛り土をしたのは地震の後である。また、この古墳を囲むように造られた方形周溝墓群の溝にも砂脈が発見された。この砂脈は幅が約1cmだが、黒灰色の粘土の地層に白い細かな砂でできた砂脈がくっきりとみられる。溝を横切る位置で、溝の埋土を完全に引き裂いていることから、方形周溝墓形成後の地震であることは確実である。慶長16年(1611年)に記録に残る大地震が起きているので、この大地震によってできたのではないかと推測されている。
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