破産財団とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 経済 > 資産 > 財産 > 破産財団の意味・解説 

はさん‐ざいだん【破産財団】

読み方:はさんざいだん

破産手続き開始決定したときに破産者所有属し、かつ差し押さえ対象となりうる一切財産破産手続きにおいて、破産債権者に配当される


破産財団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 08:00 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

破産財団(はさんざいだん)とは、破産者の財産又は相続財産若しくは信託財産であって、破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう(破産法第2条第14項)。

当該破産者の破産手続の手続費用および破産債権者等への弁済原資は、全て破産財団から賄われる(破産法193条1項)。

破産財団に属する財産の管理及び処分する権利は、破産管財人に専属する(破産法第78条第1項)。

  • 破産手続については、破産を参照。

破産財団の内容

破産財団には、破産手続開始決定時の差押え可能な債務者の全ての財産(国内外を問わない)が含まれる(破産法34条1項、3項)。また、破産手続開始決定前に生じた原因に基づいて生じる請求権も含まれる(同条2項」)。

すなわち、(自己破産等の場合)申立時に債務者が認識していた財産に限らず、破産管財人による否認権行使の結果破産財団に取り戻される財産(破産法167条)や、役員責任査定決定(破産法178条1項)に基づく請求権等も含まれる。

固定主義

上記のような破産財団の捉え方は、破産財団を構成する財産を破産手続開始決定時のものに限定する考え方であり、固定主義と呼ばれる(対義語は膨張主義)。

固定主義により、個人の破産者の場合[注釈 1]、破産手続開始決定時以降に取得した財産(新得財産)は全て自由財産となり、破産債権者の引き当てとならない。

取戻権と別除権

取戻権

破産者に属しない財産を破産財団より取り戻す権利(取戻権)は、破産手続に関係なく行使できる(破産法62条)。 すなわち、一見破産財団に含まれるように見える財産であっても、第三者の取戻権の対象となり、破産財団から外れて、破産債権者の配当原資とならないことがあり得る。

別除権

破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者は、破産手続によらないで行使することができる。

別除権の対象となった財産は破産財団から離脱し、破産債権者の配当原資とならない。

破産財団の換価と配当

破産管財人は、破産財団に現預金以外の財産が含まれる場合は、裁判所の許可を得て、任意売却等の方法で現金化を図る(破産法78条2項各号)。 不動産等一定の財産については、任意売却ができない場合は強制執行に関する法令に従って処分する(破産法184条第1項)。

換価の結果、破産手続の費用と財団債権を支弁してもなお残余を生じるときは、破産管財人が作成する配当表に基づいて配当が行われる(いわゆる最後配当、破産法195条、196条)。

最後配当以外にも、中間配当等が行われることもある。

破産手続廃止との関係

基本的に、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するに足りないとき(すなわち、裁判所が決める最低限の破産管財人報酬額にも満たない破産財団しか形成されないとき)は、破産手続は廃止される。廃止決定がなされる時点により、同時廃止と異時廃止がある。

注釈

  1. ^ 法人の破産者は、破産手続開始決定により各法人の設立根拠法(株式会社であれば会社法471条5号等)により解散し、破産法35条により破産手続終了まで清算の目的の範囲内で存続が擬制されるにすぎないから、自由財産たるべき新得財産は観念できない。

出典

関連項目


破産財団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 21:31 UTC 版)

破産宣告」の記事における「破産財団」の解説

破産者破産宣告時において有する一切財産は、破産財団となる(同法6条1項)。 *その他詳細は、破産財団を参照

※この「破産財団」の解説は、「破産宣告」の解説の一部です。
「破産財団」を含む「破産宣告」の記事については、「破産宣告」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「破産財団」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「破産財団」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



破産財団と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「破産財団」の関連用語

破産財団のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



破産財団のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの破産財団 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの破産宣告 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS