研究と影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 08:40 UTC 版)
「リュシアン・レヴィ=ブリュール」の記事における「研究と影響」の解説
ブリュールの専門はドイツ哲学であり、優れた哲学史家として認められていた。彼は道徳の分野においては普遍的規範を認めず、社会的事実としての道徳を研究することを提唱し、これを「習俗の学 science des mœurs」と呼んだ。そこからブリュールはギリシア哲学以前に道徳や倫理がいかに発生したかという問題に取り組み、文明以前の「原始的心性 mentalité primitive」を措定した。フレイザーのように未開社会が進化して文明社会となったとは考えず、文明社会の「論理」や科学的思考は、未開社会を理解する役には立たないとブリュールは言う。文明人が分析し判断するところで、未開人は綜合し「融即」する。未開人は文明人のように論理的思考ができないのではなく、そのような心的習慣がないだけなのだ。「未開人の言語は論理的概念の形式とではなく、神話的(魔術的)概念の形式と比較しなければ理解できない」というブリュールの学説は例えばエルンスト・カッシーラーの言語哲学に影響を与えた。
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