眼科矯正において
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 14:16 UTC 版)
屈折力がほぼ相加的であることから、眼科医は光学系(眼とレンズ)全体を詳細に分析することなく、眼の屈折力を単純に補正するだけで矯正レンズ(英語版)を処方することができる。 人間の場合、リラックスした状態の眼の屈折力の合計は約60ディオプトリである。この内、約3分の2(約40ディオプトリ)を角膜が、残りの3分の1(約20ディオプトリ)を水晶体が担っている。眼がピントを合わせる際には、毛様体筋を収縮させ、チン小帯から水晶体に伝わる張力や応力を軽減する。その結果、水晶体の凸部が大きくなり、眼球の屈折力が増加する。収縮の振幅は、15歳で約11〜16ディオプトリだが、25歳で約10ディオプトリに減少し、60歳以上では約1ディオプトリとなる。 焦点距離は正負を区別し、レンズの場合は光の進行方向に焦点がある場合を正とする。遠視や老眼の矯正に使用される凸レンズは正のディオプトリ値を、近視の矯正に使用される凹レンズは負のディオプトリ値を持つ。通常は正の場合にも符号をつけて "+2.0 Dptr" のように表記する。軽度の近視のための典型的なメガネは-0.50〜-3.00ディオプトリで、市販の老眼鏡は+1.00〜+4.00ディオプトリである。眼科医は、通常0.25ディオプトリごとに等級付けされたレンズを使って屈折異常を測定する。 ディオプトリの絶対値が大きいことを俗に「度が強い」「度がきつい」などと言う。
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